My Houzz: 必要なものにすぐに手がとどく、40平米の快適なひとり暮らし
ボストン中心部、古い街並みが残るビーコンヒル。カリフォルニア育ちの若き研修医の小さくても快適なひとり暮らしの部屋をご紹介します。
米国の西海岸、カリフォルニア州南部生まれのマイケル・マシューズさんは、2014年に東海岸の都市ボストンのビーコンヒルへ引っ越してきた。ビーコンヒルは、歴史あるグリーク・リバイバル様式のタウンハウスやアーリーアメリカン建築が立ち並ぶ、絵のように美しい通りで知られる地区だ。マシューズさんはハーバード大学医学部病院に所属する、3年目の外科研修医。東海岸に移り住み、豊かな文化と歴史のある地区で暮らすのを楽しみにしていたが、同時に、南カリフォルニア育ちのサーファーらしい自分の個性も活かした部屋で暮らしたいと考えていた。
アパートメントの建物には、ハードウッドのフローリングやらせん階段、背の高い窓、伝統的なトリムなど、建築当時からのオリジナルのディテールがいたるところに残っている。
「スペースが狭いことと、カリフォルニアからここまで引越し荷物を運ぶのが大変でしたね」とマシューズさん。「建物としてはステュディオタイプのワンルームですが、幸いロフトがあるので、ベッドルームは別にできます。ベッドをロフトスペースに入れると、空間のあり方がまったく変わります。人を家に呼ぶ場合も、10人までなら問題なく快適に過ごしてもらえます。」
「家具や空間の使い方に優先順位をつける必要はありますね。ダイニングテーブルは椅子を片側だけに置いていますし、ソファは空間を区切ってコーナーを作る役目もしています。ちょっとした玄関スペースもつくったので、トイレが近すぎるという感じもなくなりました。」とマシューズさん。
収納が少ないため、サーフィンやスノーボード、スケートボード、ボート、ゴルフといった趣味の道具はあえて見せるように置いている。窓の間に立てかけた1920年代製のオールは、高校時代はボート部に所属していたマシューズさんがニュージャージーのボートハウスで見つけたもの。
「家具や空間の使い方に優先順位をつける必要はありますね。ダイニングテーブルは椅子を片側だけに置いていますし、ソファは空間を区切ってコーナーを作る役目もしています。ちょっとした玄関スペースもつくったので、トイレが近すぎるという感じもなくなりました。」とマシューズさん。
収納が少ないため、サーフィンやスノーボード、スケートボード、ボート、ゴルフといった趣味の道具はあえて見せるように置いている。窓の間に立てかけた1920年代製のオールは、高校時代はボート部に所属していたマシューズさんがニュージャージーのボートハウスで見つけたもの。
マシューズさんの見るところ、この部屋は、もともと一世帯で暮らしていた建物のダイニングルームにあたる部分だったと考えている。借りたとき、部屋には何もなく、家具やインテリアに2000~2500ドルほど(約20万~25万円)をかけた。「病院での仕事から離れて自分らしく過ごせる場にしたい、と意識して空間をつくりました。仕事や旅行などで家にいないことが多いのですが、家で過ごすときはとても気に入っていて、一日中くつろいで過ごせます。」
「テレビがないのがポイントですね。そのぶん、本を読んだり友人と電話で話したり、人と連絡をとりあったり、自分を高めることにより時間を使うようになります。」
「テレビがないのがポイントですね。そのぶん、本を読んだり友人と電話で話したり、人と連絡をとりあったり、自分を高めることにより時間を使うようになります。」
ソファの上のクッションや壁に掛けられたアート作品が、故郷の南カリフォルニアを感じさせる。
らせん階段の上はベッドルームとして使っているロフト。壁の凹みにある棚をサイドテーブル代わりにして、寝る前に読む本や小物を置いている。
今は使っていない暖炉には、収納用のバスケットと本を置いている。
バーカートに並ぶのは、カリフォルニアから送ったワインボトルと、コルクのコレクション。
「僕は仕事も遊びも全力でやるタイプ。一日のうちいちばん忙しくなるのは、病院を出てからの時間です」とマシューズさんは言う。ニューヨークやワシントンDC、カリフォルニアもよく訪れるが、ボストン生活を満喫するのも忘れていない。
「仕事以外では、ヨガに毎日行くようにしているほか、波があればサーフィンに出たり、週に1度は人と会って食事をしたりしています」。写真は仕事や勉強をする場所として使っているデスクスペース。
「仕事以外では、ヨガに毎日行くようにしているほか、波があればサーフィンに出たり、週に1度は人と会って食事をしたりしています」。写真は仕事や勉強をする場所として使っているデスクスペース。
シャワーと猫脚のバスタブがあるバスルーム。
キッチンのスペースは限られているため、吊り戸棚とイケアのフック類を活用して整理し、空間をうまく使っている。
このアパートメントで気に入っている点のひとつが、ボストンの中心部という立地だ。「人とモノの動きの中心でもありますし、日常的にあちこちへ行くなら、どこよりも便利です」と言う。「ボストンの食を制覇しようと時間をつくっては食べに出かけていますね。評判の店ができればオープンからひと月以内に行くようにしています。」
もともと一軒の家だった建物を、現在は5つのアパートメントに分けている。玄関ホールのトラディショナルスタイルの壁紙と家具が建設当時を思わせる。
「この地域の建物の特徴であるレンガ造りのファサードにひかれました。レンガ造りの建物は地震で崩れやすいため、カリフォルニアでは少ないんです。ないものがほしくなるのは人の常ということもあって、レンガ造りの建物にはすごく魅力を感じてしまいます」とマシューズさん。
ビーコンヒルはアメリカ国内でも指折りの古い街並みで、歴史保存のため行政からの制限も厳しく定められている。マシューズさんのアパートメントや周辺の建物は、1870年代の建築当時から姿をほとんど変えていない。
ビーコンヒルはアメリカ国内でも指折りの古い街並みで、歴史保存のため行政からの制限も厳しく定められている。マシューズさんのアパートメントや周辺の建物は、1870年代の建築当時から姿をほとんど変えていない。
一点ものの大切なサーフボードの横に立つマシューズさん。アメリカではすでに生産中止で入手不可能なメーカーのものだそう。このサーフボードとともに、マシューズさんは世界の海を楽しんできた。
「このあたりの街並みは、僕にとってはまったく新鮮なもの。僕は典型的な南カリフォルニア出身のサーファーですが、ここに住むからには、四季がある暮らしとはどういうものなのか、自分の目で確かめてみようと思ったんです。この街に暮らすことで、自分自身が本質的に変化したことを感じますね」とマシューズさんは話してくれた。
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ボストンのロフトのある小さな生活は、いかがでしたか? ご感想をおきかせください。
「このあたりの街並みは、僕にとってはまったく新鮮なもの。僕は典型的な南カリフォルニア出身のサーファーですが、ここに住むからには、四季がある暮らしとはどういうものなのか、自分の目で確かめてみようと思ったんです。この街に暮らすことで、自分自身が本質的に変化したことを感じますね」とマシューズさんは話してくれた。
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住まい手:マイケル・マシューズさん
所在地:アメリカ、ボストン
規模:40平方メートル。ロフト(ベッドルーム)x1、バスルームx1
竣工:1870年
メインのリビングスペースでは、暖炉の上に置いた大きな風景画を中心に、マシューズさんの母親が見つけたアートの数々を飾ったエクレクティックな空間。中央の絵を囲むように、ポップカルチャーにインスパイアされたアート作品を飾っている。ビートルズのレコード2枚をフレームに入れたアートは、マシューズさんがブリュッセルの店で手に入れたものだ。